スキャルパーのためのスプレッドの概念
あぁ・・・、もっともっとスプレッドが狭くならないだろうか・・・
と嘆いているそこのアナタに送る今日のテーマは「スプレッドの概念」についてです。
私の認識ですとスキャルピングというのはおおよそ1〜5pips程度の利幅を狙っていくトレードになります。
特に私の手法は、一時的な行き過ぎに対しての逆張り手法のため、大きく利が伸びると言う事はほぼありません。あったとしてもラッキーのレベル。
そのため私のような逆張り系スキャルパーにとってスプレッドという取引コストは非常に気になる部分です。
数pipsの利幅を狙うのに、取引コストを数pipsもかけてたんじゃ、リスクリワードが悪くなるため、トレードする通貨ペア自体も非常に限られます。
リスクリワードの悪さを勝率でカバーするトレードスタンスという事です。
通貨ペアごとのスプレッドは主に3つの原因で変動します。
1、証券会社ごとの違い
2、指標発表などのファンダメンタル要因
3、時間帯
1はご存知の通り、ドル円は0.3pipsが目立ちますが、0.4や0.5もあります。ごく一部0.2pipsもありますね。海外のFX業者になるとドル円でも1.5pipsとかがザラにありますね。(※海外FX口座はスキャルピングには個人的には向かないと思ってますので割愛します。)
2は指標発表時に証券会社がリスクヘッジのためにスプレッドを拡大させる事が多々ありますね。
3はその証券会社のスワップポイント付与のタイミングでスプレッドの拡大がみられます。午前6~8時くらいの間です。※日付切り替えのタイミングによります。おそらくスワップポイント狙いの短期ポジション持ちを避ける為の対応と思われます。
結論から先に申し上げますと、単純に提示されているスプレッドだけで、スキャルピングに向いているかどうかを判断すべきではないという事です。
そこには提示スプレッドと通貨ペアのボラティリティが大きく関係しています。
比べてみましょう。
仮通貨ABC/JPY=スプレッド0.5pipsで、1日平均して60pips値動きがある。
仮通貨XYZ/JPY=スプレッド1.0pipsで、1日平均して180pips(3倍)値動きがある。
値動きの特徴が全く同じだったとして、一体どちらがスキャルピングに向いているでしょうか?
私の持論でいくと、XYZ/JPYのほうがスキャルピングに向いているローコストな通貨ペアであると言えます。
私の場合初期コストの額を一定にした上で、ボラティリティの幅を確認しました。
ABC/JPYを1万通貨持った場合、スプレッド0.5pipsの為、-50円からスタートすることになりますね。この50円が取引コストという事になります。
この取引コストを支払って、ABC/JPYの約60pips=6000円分の値動きの利幅を狙う事ができます。
そして比較先のXYZ/JPYはスプレッドが1.0pipsの為、1万通貨だと-100円からのスタートとなるため、半分の5千通貨でポジションを持つことで、-50円からのスタートとなり、比較元のABC/JPYと取引コストをそろえる事ができます。
その上で、上記180pipsの値幅に対しての5千通貨分=9000円の値動きの利幅を狙う事ができるということになります。
同じ取引コストで狙う利幅に大きな差ができていますね。
ABC/JPYは取引コスト50円で、6000円の値幅
XYZ/JPYは取引コスト50円で、9000円の値幅
(よりわかりやすくするために値幅の方をそろえると、
XYZ/JPYは取引コスト、33円で約6000円となります。)
さてどちらのほうが相対的に見てコスト安と言えるでしょうか?
お分かりの通りXYZ/JPYですね。
では実際にトレードする通貨、ドル円、ユーロドル、ポンド円、どちらがスキャルピングに向いているでしょうか?
これを判断するために、スプレッドと1日平均のボラティリティを比較します。
11/5(月)=113.075~113.336 ⇒ 26.1pips
11/6(火)=113.100~113.503 ⇒ 40.3pips
11/7(水)=112.946~113.817 ⇒ 87.1pips
11/8(木)=113.464~114.082 ⇒ 61.8pips
11/9(金)=113.639~114.079 ⇒ 44.0pips
先週の平均ボラティリティ 51.8pips
スプレッド 0.3pips
ボラティリティに対してのスプレッドが占める割合=0.57%
ユーロドル
11/5(月)=1.13534~1.14236 ⇒ 70.2pips
11/6(火)=1.13913~1.14375 ⇒ 46.2pips
11/7(水)=1.13945~1.14994 ⇒ 104.9pips
11/8(木)=1.13514~1.14462 ⇒ 94.8pips
11/9(金)=1.13162~1.13688 ⇒ 52.6pips
先週の平均ボラティリティ 73.7pips
スプレッド0.4pips
ボラティリティに対してのスプレッドが占める割合=0.54%
ポンド円
11/5(月)= 146.853~147.804 ⇒ 95.1pips
11/6(火)= 147.300~148.703 ⇒ 140.3pips
11/7(水)= 148.334~149.229 ⇒ 89.5pips
11/8(木)= 148.606~149.485 ⇒ 87.9pips
11/9(金)= 147.497~149.052 ⇒ 155.5pips
先週の平均ボラティリティ 113.6pips
スプレッド1.0pips
ボラティリティに対してのスプレッドが占める割合=0.88%
この場合、取引コストが最も安いといえるのは、ボラティリティに対してのスプレッド割合が一番低い、ユーロドルであると言えます。
ポンド円も、スプレッドが1.0とドル円に比べて3倍のスプレッドであるにも関わらず、ボラ対スプ割合は0.88%と、ドル円の0.57%に比べ1.5倍程度でおさまっていると言えます。
実際には時間帯によりボラティリティも変わりますので、上記の数値が正しいとは一概には言えません。ポン円も全然動かない日もありますからね。
ただ、こういう取引コストをボラティリティと掛け合わせて比べる事で、ポンド円もスキャルピングに向いている通貨ペアである事が数字上でもわかりました。
実際に私がメインで見ている通貨ペアはドル円、ユーロドル、ポンド円ですが、
当初は0.3pipsとスプレッドの狭さのみを見てドル円でトレードしていました。
ボラティリティの低さと私のロジックとの相性の悪さもあり、今はポンド円メインのユーロドルとドル円はサブとなってます。
当然、市場ごと(東京・欧州・NY)の値動きの特徴や、通貨ペアごとの値動きの特徴も理解しなければスキャルピングでは勝ち続ける事はできませんが、取引コストにたいしてどのくらいの値幅を見込むのか?という目線で見ていくことで、自分にとって正しい通貨ペアを選択することができます。
ひょっとすると他にももっと合う通貨ペアがあるかもしれませんので、ご自身でもぜひ探して見てください。
質問等あればコメントください!
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